今回はこちらのコラムを紹介してみます。
『2020年から大学入試が変わる!? 幼児期のうちに準備しておきたい「国語力UPトレーニング」って?』
筆者は、2020年から大学入試が変わり、考える力の土台である国語力が合否の鍵を握ると主張しています。
そして、幼児期に実践したい「国語力を伸ばす3つのコツ」を記事の中で紹介しています。
国語力が重要なのは明らか
大学入試うんぬんはともかくとして、学力の土台として国語力が重要なのは明らかですよね。
紹介した記事でも書かれていますが、問題文を読んで理解し、それに対して採点者に伝わるように答えを書くためには、その分野の専門知識以前に国語力が必要なのです。
仕事で小中学生を教えていることもあり、国語力がいかに大切かは日々感じています。
幼児期に実践したい「国語力を伸ばす3つのコツ」
紹介した記事では、以下の3つが国語力を伸ばすコツとして書かれていました。
- 語彙を増やす
- 手紙を書く
- 説明する機会を増やす
それぞれについて、私の思うところを書いていきます。
語彙を増やす
語彙を増やすことについては私も同意見です。
知っている言葉が少なければ、文章を読んでいて分からない言葉に出くわしてしまう可能性が高くなりますし、文章を書く場合でも表現の幅が狭まってしまいます。
とはいえ、これは誰しもが通る道でもあります。初めから語彙力の高い人なんていませんからね。
幼児期のうちから言葉に興味を持ち続けてもらえるように、日常の会話においても
- 「あれは○○と言うんだよ」
- 「○○を別の言い方で表わしたらどうなるかな?」
- 「○○の反対は何て言うのかな?」
などと、言葉の意味を説明したり、尋ねたりすることが大切です。
子供はもともと好奇心旺盛ですから、気になる言葉や表現があれば質問してくることが多いはずです。
そういった時に、分からなかったり忙しかったりでうやむやにすることを繰り返してしまうと、みすみす学びの機会を奪ってしまうことになります。
分からなかったのであれば一緒に調べても良いですから、貴重な機会を有効に活用していきたいものです。
これは推測ですが、幼児期のころからそうやって過ごしていくと、成長してからも新しい言葉が頭に入りやすくなるのではないかと思っています。
そうなればいちいち教えなくとも自ら語彙を増やしていくようになりますし、子供自身もどんどん覚えられるので、楽しみながら言葉を覚えていきます。
手紙を書く
これについては、手紙よりも作文の方が良いように思います。
もちろん手紙でもいいのですが、手紙には相手が必要であり、表現や内容の幅がどうしても狭くなってしまいます。
作文であれば、
- 今日の出来事(事実)を書く
- 今日感じたこと(自分の気持ち)を書く
- 想像で物語を書く
など、文章を幅広く書くことができます。
気をつけたいのは、まずは文章を書くことが好きであるという前提を崩してしまわないことです。
細かい間違いを毎回直されていては書くことが嫌になってしまいますから、いちいち指摘はしない方が良いです。
説明する機会を増やす
子供が説明する機会を増やすのはとても良い方法だと思います。
むしろ、これを積極的にやっておかないと国語力が低くなってしまうのではないかと思うくらいに重要だと感じています。
仕事で子どもたちを見ていても、自ら質問を発することができなかったり、記述式の問題が空欄のままという子は結構います。
単語は覚えて回答できても、文章で表現することができないのです。
日常的に親に質問されて、親を納得させるべく考えて答えるような生活をしていれば、嫌でも説明する力はついていくはずです。
また、子供に対しての口頭での質問は瞬発的な思考力・判断力を養うのにも効果的です。
論理的な思考力は作文でも鍛えられますが、作文は書き終わるまでじっくり考えることができてしまうので、瞬発的な力には結び付きにくいです。
口頭での質問であれば、多少考える時間をもらうにしても、数秒~数十秒で答えなければ会話が成り立ちません。
ですので、幼いながらにも必死に考えます。これが良いのです。
成長に伴って力がついてくれば、相手の理解度や知識、共通している認識などを考えて答え方を変えるなどといった高度なこともできるようになってきます。
とはいっても、あまり難しいことを考えながら会話をしていても疲れてしまいますよね。
- 「○○ってどういう意味?」
- 「○○と△△は何が違うのかな?」
- 「○○するにはどうしたらいい?」
といった質問を意識して投げかけてあげれば良いかと思います。
質問の内容や難しさは、子供の反応を見て調節してあげましょう。
つまるところ、親子の会話が大切
多少テクニック的な部分はあるにしても、幼児期における国語力アップで大切なのは親子の会話です。
先ほどあげた「国語力を伸ばす3つのコツ」にしても、子供一人でできるものはありません。
作文にしたって、書いたものを親が読んでくれて会話が弾むからこそ続くのであって、ただただ一人で書き続けられるものではありません。
子供は好奇心旺盛で、常に何かに興味を持ち、親にもあれこれ聞いてきたり主張したりしてきます。
それを見逃さずに拾い上げ、言葉のキャッチボールを繰り返していくことで、自然と国語力が身についていくのだと思います。