幼児関連のニュースを拾っていたら、ちょうどこんな記事を見かけました。
梨花女子大社会福祉学科のチョン・イクチュン教授とキム・スジョン研究員は、「コンピュータ、電子ゲーム、スマートフォンの使用が幼児の憂鬱、不安、攻撃性に及ぼす影響」と題した論文で「スマートフォン利用開始時期と頻繁な利用は幼児の憂鬱、不安、攻撃性に有意な影響を及ぼす」と明らかにした。満4歳の幼児を持つ1703世帯の資料を分析した結果だ。
韓国での研究結果であることと、具体的にどの程度のスマホ利用でどの程度の影響が出たのか、といったことが書かれていないので何とも言えませんが、幼児がスマホを長時間見続けたら悪影響がありそうなことは感覚的に分かりますよね。
液晶画面を長時間見ていれば大人であっても目が疲れるのですから、幼児であれば大人以上に影響があっても何ら不思議はありません。
スマホやタブレットは知育には便利そう
スマホやタブレットのアプリを使えば、家庭では再現するのが難しい現象を表現したり、繰り返しパズルを解かせてみたりといったことができます。
また、画面をタップした際の反応が分かりやすければ、子供に対してかなりの求心力を持ちます。
実際に、幼児・子供向けの知育アプリは多数リリースされており、関心を持っている企業や親が多いことは容易に想像できます。
特に実験的な事柄を見せたり、紙とペンでは説明しづらいような事柄を解説したりしたいときにはとても効果的だと思います。
一方で心配される悪影響
良い面があれば悪い面もあるのは世の常ですね。
知育に便利そうだとはいっても、スマホやタブレットを幼児に与えることについて、悪影響も考える必要があります。
ただ、少し調べて考えてみると、結局は親の立ち回り次第なんだろうなぁとも思えてきます。
- 知育に効果的だから使う!
- 悪影響があるから使わない!
といった短絡的な判断ではなく、もう少し本質的なところを押さえて、日々の暮らしに活かしていきたいところです。
コミュニケーションが減る
幼児に限らず、子供が一人でスマホをいじっていれば、その間は人とのコミュニケーションが発生しません。
そうすると言葉の発達や社会性の獲得に支障が出てしまいます。
…といった記述をあちこちで見かけましたが、これってテレビでもDVDでも、はたまた昔からあるオモチャでも同じことが言えてしまいますよね。
自分の世界に入って何かに没頭する時間があまりにも長いと、それがスマホだろうが何であろうがコミュニケーションの時間が不足するのです。
子供にずっと積み木を与えて放置していればコミュニケーション不足になります。
一方で、スマホを使いながらも親子でしっかりと会話をしていればコミュニケーション不足にはなりません。
熱心に幼児教育に励まれている方であれば、幼児にスマホを与えて放置するなんてことはないでしょうから、この点についてはあまり気にしなくても良いのではと思います。
視力低下
幼児はもともと視力が低く、成長に伴って視力が高くなっていきます。
ですので、どうしても小さい時ほど物や画面には近づいてしまいがちです。
とはいっても長時間、近くで画面を見続ければ視力形成の過程において良くありません。
ではどのくらいなら連続して見させていいのかというと、はっきりとした基準はないようです。
無難に、長くても30分程度経ったらいったん休憩を挟むようにした方が良いとは思います。
睡眠障害
寝る前に明るい画面を見ていると、脳が興奮してしまい寝つきが悪くなる、というのはよく聞く話ですね。
幼児であってもそれは当てはまるでしょうし、むしろ大人より顕著だと思われます。
寝る前の使用は避けた方が良いでしょう。
依存
子供の依存
スマホは楽しいです。
大人であっても一日中スマホをいじってしまう人はいるでしょう。
かく言う私もスマホをいじっている時間は長いです。
子供であってもそれは同じで、誰も止めなければ一日中いじってしまう場合もあるはずです。
こうなってしまうとなかなか厄介ですので、あまりスマホまみれな生活をさせるのは考え物ですね。
親の依存
親の場合は依存というべきか、盲信と言うべきか…。
何でもかんでもスマホ・タブレットで行う方が効果的・効率的と思ってしまうのは危険です。
昔ながらのオモチャや紙と鉛筆、教材にだって良いところと悪いところがありますし、スマホやタブレットにも良いところと悪いところがあります。
そのため、どういった場面でどちらを使った方が良いのかは状況によりけりなはずです。
また、先ほどの「コミュニケーションが減る」とも関連しますが、スマホやタブレットを使っている時間が増えれば、当然ながら他のことに充てる時間が減ります。
特に幼児期は様々なことを経験していく必要がありますので、スマホ・タブレットに多くの時間を持っていかれてしまうことはあまり良くないと言えるでしょう。
気がついたらあらゆることをスマホ・タブレットに頼ってしまっていて、むしろ逆効果になっていた、なんてことにならないようにしたいものです。